2009-03-24: [旅] ニューヨーク旅行記3 クロイスターズへ
1.クロイスターズ
この日は近所の店で買ったベーグルとカットフルーツで朝食を済ませ、午前中は私たちが最も行きたかった場所であるクロイスターズへ。
クロイスターズはマンハッタンの北、地下鉄Aの190st駅の近くで、ハドソン川沿いにある、メトロポリタン美術館の別館です。
歴史は結構長いようで、もとは彫刻家のジョージ・グレイ・バーナードという人のコレクションを1925年にジョン・D・ロックフェラー・ジュニアが買い取り、1938年にオープンしたようです。
立地が郊外であることも手伝って、周囲は大変静かで落ち着いた感じになっています。フォート・トライオンという公園を抜けてすぐの場所なのですが、少し高台になっている公園から見下ろすハドソン川の景色はなかなかよかったです。
セントラルパークなんかにも普通にいましたが、野生のリスをみかけたりもします。

野生のリス。のどかな公園でした。
この美術館にまつわる有名な逸話ですが、ロックフェラー・ジュニアは周囲の景観を保護するために、ハドソン川対岸にあるニュージャージーの土地を700エーカーほど寄贈したそうです。700エーカーというと、日本人独特の感覚的単位であるtdに換算すると約56tdになります。すごいですね。
※td=東京ドーム1個分

対岸には背の高い建物など何も建っていません
美術館は公園を抜けるとすぐにみえてきます。冬なので草花を楽しむという感じではないですが、周囲の枯葉や、裸の木々と、美術館の古いコルク栓のような色が絶妙にマッチしていて、とにかく外観も美しい。

クロイスターズ外観
また、館内を入るとすぐ眼の前に広がる、ドーム状の天井を持つ部屋は、約800年前のスペインの教会をニューヨークまで運び、修復したという代物。

Fuentidueña Chapel
スペインのセゴビアから運ばれてたそうです
クロイスターズは美術館そのものが美術品というわけなのです。
主に中世ヨーローッパの建築物や美辞術品が多数集められていますが、 実は今回この美術館に来た理由はある十字架を観るためです。
2.謎の十字架
旅行2ヶ月前くらいに妻からトマス・ホーヴィング著『謎の十字架』
というノンフィクション小説を読むように言われ、とりあえず机の上におきっぱなしにして1ヶ月ほど経った頃、確定申告だとか、その他諸々の雑用が一段落ついたので、なんとなく読み始めてみました。
あまり期待せずに読み始めたのですが、これがなかなか面白い。
小説の内容ですが、トマス・ホーヴィングという、後にメトロポリタン館長になる青年が、ものすごく価値のある十字架を獲得するまでの話です。
簡単に言ってしまうと、それだけの話なのですが、獲得するまでに行われる様々な駆け引き、スパイさながらの調査など、その過程が冒険小説のようになっています。
著者は十字架の謎を探る調査のため、イタリアのある美術館でこっそり展示品ケースをやぶった話なんかも載せていて、小説発行後にイタリア政府からの抗議をうけたようです。
クロイスターズの地下展示室にそれが展示されているとのことで、今回私たちそれを楽しみにここへ来たというわけです。さあ、いよいよ展示室へ。
ありました。展示室の中央に、ありました。
十字架そのものは、イングランド南東部にある西サフォークの古都、ベリ・セント・エドマンズにあったもので、時代は1150~1160年あたりのものではないかとされています。
材質はセイウチの牙。写真では伝わりづらいですが、この十字架には100を超える人物が彫られているとのこと。僕はキリスト教の歴史や聖書の内容をあまり知らないので残念だったのですが、十字架中央にはモーセ、根本にしがみつく2人はアダムとイヴのようです。

これがベリ・セント・エドマンズの十字架
裏にも沢山の人物が彫られています
クロイスターズにはこれ以外にも素晴らしい象牙細工がいくつか展示されていましたが、これだけ大きなものに、これほど多くの精巧な彫り物がほどこされているのは見事としか言いようがありませんでした。
ちなみに、『謎の十字架』
の帯には以下のような事が書かれていて、まさにそんな気分でクロイスターズの中に入ったのを思い出しました。
3.メトロポリタン美術館本館へ―中国人に道を尋ねられる
クロイスターズのミュージアムショップで分厚い本を何冊か買ってしまったので、一度ホテルへ置きにもどり、昼食はホテルの近くにあるカジュアルな感じのレストランで済ませました。
レストランは3品の軽めのコースで、値段も24ドルとお手頃。相変わらずボリュームがありますが、美味しかったので全部たいらげました。フラッと入った店なので、レストランの場所も名前も忘れたのが残念。

前菜のクラムチャウダー

メインのステーキ

デザートのパンプリン
おなかも膨れたので、お次はメトロポリタン美術館を目指します。メトロポリタン美術館は僕の泊まったホテルからだと地下鉄の乗り換えが面倒で、今から考えるとタクシーに乗れば良かったと思います。
途中、レキシントンという所から他の電車に乗り継ぐときに、鉄拳というゲームに出てくる平八というキャラクターそっくりのヘアースタイルをしたアジア系中年男性に呼び止められました。
どうやら中国の方で、道に迷っているようだったのですが、僕も観光客なので「我也不知道(僕も知りません)」と中国語で言ってそそくさと立ち去ります。日本でもそうなのですが、僕は街中などで中国の方に中国語でいきなり話しかけられることが多いのです。なぜだろう・・・。
その後も、キッチン用品やペット関連用品のショップに立ち寄ったりしながらダラダラと歩き、やっとメトロポリタン美術館に到着。午前中クロイスターズにずっといたせいか、足はすでにパンパン。メトロポリタンに着く前にはもう体力の限界に来ていました。
今回はスーツにネクタイが必要なオペラだとか、少し高級なレストランにも行く予定だったので、スニーカーではなく革靴でとおしていました。はき慣れない革靴をはき、2日連続で長時間歩くのはきつい。
しかもメトロポリタン美術館がかなり広いです。もう相当しんどかったので、僕はさっさと全部見るのをあきらめ、二階カフェテリアでひとり休憩し、時間を決めて妻と待ち合わせることに。もったいないですが、本当に動けないくらい疲れていました。

甲冑コーナーというのがあって、
色々な鎧が展示されていました。
ここから得た教訓ですが、観光の際、美術館の類は一日一箇所にしといた方がいいですね。
4.夜はオペラに
この日は本当に濃かったです。夜は妻がお世話になっている先生のお知り合いの方と一緒にメトロポリタンオペラへ。2階のボックス席をとっていただいていたようで、かなり良い席で聴くことができました。

メトロポリタンオペラ
今回聴いたのはベッリーニの『La Sonnambula』です。ナタリー・デセイ
とジュアン・ディエゴ・フローレッズが主演です。公演が20時で、時差ボケ中の僕にとっては睡魔のピーク時間のはずだったのですが、綺麗な歌声と音楽に睡魔もいつの間にか飛んで行っていました。
この日はホテルに着いたのが23時過ぎ。かなり充実した一日でした。
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この日は近所の店で買ったベーグルとカットフルーツで朝食を済ませ、午前中は私たちが最も行きたかった場所であるクロイスターズへ。
クロイスターズはマンハッタンの北、地下鉄Aの190st駅の近くで、ハドソン川沿いにある、メトロポリタン美術館の別館です。
歴史は結構長いようで、もとは彫刻家のジョージ・グレイ・バーナードという人のコレクションを1925年にジョン・D・ロックフェラー・ジュニアが買い取り、1938年にオープンしたようです。
立地が郊外であることも手伝って、周囲は大変静かで落ち着いた感じになっています。フォート・トライオンという公園を抜けてすぐの場所なのですが、少し高台になっている公園から見下ろすハドソン川の景色はなかなかよかったです。
セントラルパークなんかにも普通にいましたが、野生のリスをみかけたりもします。

野生のリス。のどかな公園でした。
この美術館にまつわる有名な逸話ですが、ロックフェラー・ジュニアは周囲の景観を保護するために、ハドソン川対岸にあるニュージャージーの土地を700エーカーほど寄贈したそうです。700エーカーというと、日本人独特の感覚的単位であるtdに換算すると約56tdになります。すごいですね。
※td=東京ドーム1個分

対岸には背の高い建物など何も建っていません
美術館は公園を抜けるとすぐにみえてきます。冬なので草花を楽しむという感じではないですが、周囲の枯葉や、裸の木々と、美術館の古いコルク栓のような色が絶妙にマッチしていて、とにかく外観も美しい。

クロイスターズ外観
また、館内を入るとすぐ眼の前に広がる、ドーム状の天井を持つ部屋は、約800年前のスペインの教会をニューヨークまで運び、修復したという代物。

Fuentidueña Chapel
スペインのセゴビアから運ばれてたそうです
クロイスターズは美術館そのものが美術品というわけなのです。
主に中世ヨーローッパの建築物や美辞術品が多数集められていますが、 実は今回この美術館に来た理由はある十字架を観るためです。
2.謎の十字架
旅行2ヶ月前くらいに妻からトマス・ホーヴィング著『謎の十字架』
あまり期待せずに読み始めたのですが、これがなかなか面白い。
小説の内容ですが、トマス・ホーヴィングという、後にメトロポリタン館長になる青年が、ものすごく価値のある十字架を獲得するまでの話です。
簡単に言ってしまうと、それだけの話なのですが、獲得するまでに行われる様々な駆け引き、スパイさながらの調査など、その過程が冒険小説のようになっています。
著者は十字架の謎を探る調査のため、イタリアのある美術館でこっそり展示品ケースをやぶった話なんかも載せていて、小説発行後にイタリア政府からの抗議をうけたようです。
クロイスターズの地下展示室にそれが展示されているとのことで、今回私たちそれを楽しみにここへ来たというわけです。さあ、いよいよ展示室へ。
ありました。展示室の中央に、ありました。
十字架そのものは、イングランド南東部にある西サフォークの古都、ベリ・セント・エドマンズにあったもので、時代は1150~1160年あたりのものではないかとされています。
材質はセイウチの牙。写真では伝わりづらいですが、この十字架には100を超える人物が彫られているとのこと。僕はキリスト教の歴史や聖書の内容をあまり知らないので残念だったのですが、十字架中央にはモーセ、根本にしがみつく2人はアダムとイヴのようです。

これがベリ・セント・エドマンズの十字架
裏にも沢山の人物が彫られています
クロイスターズにはこれ以外にも素晴らしい象牙細工がいくつか展示されていましたが、これだけ大きなものに、これほど多くの精巧な彫り物がほどこされているのは見事としか言いようがありませんでした。
ちなみに、『謎の十字架』
この本をよむとつぶやきたくなる
「いつの日か、必ず実物を見てやる」と。
3.メトロポリタン美術館本館へ―中国人に道を尋ねられる
クロイスターズのミュージアムショップで分厚い本を何冊か買ってしまったので、一度ホテルへ置きにもどり、昼食はホテルの近くにあるカジュアルな感じのレストランで済ませました。
レストランは3品の軽めのコースで、値段も24ドルとお手頃。相変わらずボリュームがありますが、美味しかったので全部たいらげました。フラッと入った店なので、レストランの場所も名前も忘れたのが残念。

前菜のクラムチャウダー

メインのステーキ

デザートのパンプリン
おなかも膨れたので、お次はメトロポリタン美術館を目指します。メトロポリタン美術館は僕の泊まったホテルからだと地下鉄の乗り換えが面倒で、今から考えるとタクシーに乗れば良かったと思います。
途中、レキシントンという所から他の電車に乗り継ぐときに、鉄拳というゲームに出てくる平八というキャラクターそっくりのヘアースタイルをしたアジア系中年男性に呼び止められました。
どうやら中国の方で、道に迷っているようだったのですが、僕も観光客なので「我也不知道(僕も知りません)」と中国語で言ってそそくさと立ち去ります。日本でもそうなのですが、僕は街中などで中国の方に中国語でいきなり話しかけられることが多いのです。なぜだろう・・・。
その後も、キッチン用品やペット関連用品のショップに立ち寄ったりしながらダラダラと歩き、やっとメトロポリタン美術館に到着。午前中クロイスターズにずっといたせいか、足はすでにパンパン。メトロポリタンに着く前にはもう体力の限界に来ていました。
今回はスーツにネクタイが必要なオペラだとか、少し高級なレストランにも行く予定だったので、スニーカーではなく革靴でとおしていました。はき慣れない革靴をはき、2日連続で長時間歩くのはきつい。
しかもメトロポリタン美術館がかなり広いです。もう相当しんどかったので、僕はさっさと全部見るのをあきらめ、二階カフェテリアでひとり休憩し、時間を決めて妻と待ち合わせることに。もったいないですが、本当に動けないくらい疲れていました。

甲冑コーナーというのがあって、
色々な鎧が展示されていました。
ここから得た教訓ですが、観光の際、美術館の類は一日一箇所にしといた方がいいですね。
4.夜はオペラに
この日は本当に濃かったです。夜は妻がお世話になっている先生のお知り合いの方と一緒にメトロポリタンオペラへ。2階のボックス席をとっていただいていたようで、かなり良い席で聴くことができました。

メトロポリタンオペラ
今回聴いたのはベッリーニの『La Sonnambula』です。ナタリー・デセイ
この日はホテルに着いたのが23時過ぎ。かなり充実した一日でした。
旅行記1日目へ
旅行記2日目へ
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