自律神経を調えるツボ瞑想や東洋医学の知恵で春を乗り切る

東洋医学の常識   宮下宗三

 東洋医学では人と自然との調和が重要視されていて、例えば季節に合わせた暮らし方というのが、鍼灸医学の古典である『素問』の四気調神大論という篇に記載されています。

 今回はその中から、春の暮らし方やツボをつかったリラックス法についてご紹介です。特に春や秋は気温の変化が激しく、自律神経のバランスを乱れて具合の悪くなる方が多くなる季節なので、この時期に体調を崩しやすい方は是非参考にして下さい。

『素問』四気調神大論

『素問』という東洋医学の古典には季節に合わせた過ごし方が記載されている。

 以下がその箇所ですが、原文が漢文なので、意訳と書き下しで引用いたします。

春は萬物の成長が始まる季節です。そのため、早起きしてゆるやかな散歩をしたり、髪をほどき、身体を緩めるようにしたり、精神を春の気候と同じように、ゆったりとしていて且つ活発に活動させます。「殺」「奪」「罰」といった行動を控え、「生」「与(あたえる)」「賞(ほめる)」といった行動を取るようにします。

(天地倶に生じ、萬物以て榮す。夜臥し早く起き、廣く庭を歩き、髮を被(ほど)き形を緩め、以て志をして生ぜしめ、生して殺す勿かれ、予えて奪う勿かれ、賞めて罰する勿かれ。)

『素問』四気調神大論より/意訳・(書き下し):宮下宗三

春に取り入れたい4つの習慣

 『素問』四気調神大論の要点を大きく次の4つにまとめ、私なりの解釈を加えてみました。春に是非取り入れたい習慣です。

1.朝のゆったりとした散歩

 四季の始まりである春の気候に合わせて、一日の始まりである朝にはしっかりと起きて、ゆるやかに動き出し、散歩など軽めの運動をして全身をほぐすようにしましょう。

朝にウォーキングなどの軽めの運動がおすすめ

朝にウォーキングなどの軽めの運動がおすすめ

 逆にギリギリの時間まで寝ていて、慌てながら大急ぎで家を飛び出すというのは避けたいですね。

2.ゆったりとした服装にする

あまりピシッとせずに、服装や髪型もゆったりと

あまりピシッとせずに、服装や髪型もゆったりと

 服装も動きづらい締め付けるような服をやめ、ゆったりとしたものを着るとなお良いです。また、女性の方は髪をきつく縛らないようにするとよりリラックスできます。

3.他人を責めない

怒ると自分が損しますよ

怒ると自分が損しますよ

 春は自分がリラックスするのも大事ですが、人にたいしても優しくしたい所ですね。実際の所、人を責めるという行為も相当大きなエネルギーを使いますし、精神的緊張が自分にもそのまま帰ってくることが多いのです。

4.精神状態もゆったりとかつ活発にする

春の陽気のように暢気に過ごしましょう

春の陽気のように暢気に過ごしましょう

 精神状態も春のように朗らかにです。しかしながら、日本の場合、春に入社・入学・年度初めなど、緊張するシーンが多くなってきます。

 適応能力の高い方なら問題ないかもしれませんが、例えば五月病といった状態は、まさに本来リラックスした方が良いはずの春に、生活環境が急激に変化してしまった結果、自律神経が乱れたり、抑鬱状態になってしまうと考えることができます。

 ただ、社会との関わりを絶つという究極の選択をしない限り、この変化は誰も逃れることはできません。こころの緊張を取るには人それぞれ色々な方法があると思いますが、参考までに緊張をほぐす効果のあるツボ療法もご紹介します。

緊張をほぐすツボ瞑想のやり方

手首の内側のしわの中央から、指の幅3本分くらい上を押します。

手首の内側のしわの中央から、指の幅3本分くらい上を押します。

やり方

(1) 寄りかからず背筋を伸ばして椅子に座ります。

(2) 肩の力を抜いて、鼻から吸って、口からゆっくり吐く呼吸を3回ほど繰り返します。以後呼吸はこの方法で続けます。

(3) 眼を軽く閉じます。

(4) ツボを軽く圧迫しながら頭の中で呼吸を10回数え、数え終わったら反対のツボも同様に行います。ツボを押している最中は指先がツボに触れている感触に意識を集中します。

(5) これを2回繰り返し行います。

(6) 終わる前に両手を膝の上にのせ、呼吸を5回数えます。

(7) ゆっくり眼を開けて終了です。

まとめ

要点のおさらいです。

・朝のゆったりとした散歩

・ゆったりとした服装

・精神状態もゆったりとかつ活発にする

・他人を責めない

 この4つ全てを実行するのはなかなか難しいところもあるかもしれませんが、この中のひとつだけでも取り入れれば、きっと楽しい気分で春をすごせると思いますよ。

院長 宮下宗三(みやしたそうぞう)
関連記事