東洋医学的子育て論2:薄着のさせ方と季節に応じた服装

東洋医学の常識   宮下宗三

季節にあった服装とは

季節に合わせて衣服を調節

 東洋医学ではこどもには普段から薄着にさせるとよいと考えられています。

 その理由は、こどもは陽気が盛んで体温が高いので、過度に温めるとかえって害になるとされているからです。

 こどもに薄着をさせるというのは、最近の育児書などでも提唱されていて、その目安としてよく言われているのが、「大人よりも一枚少なく」になります。

 ただ、それぞれの季節の特性などを考えずに闇雲に薄着をさせてしまうと、逆効果にもなってしまうので、今回の東洋医学的子育て論2では、前回に引き続き、『小児衛生総微論方』という小児科の医学古典から薄着のさせ方や季節に応じた服装についての部分をご紹介します。

薄着のさせ方

薄着のさせ方については以下のように記載されています。

【意訳】

薄着をさせるには、秋から慣らしていくとよい。春が来て暖かくなり始めたら、徐々に着る物を薄くしていかなくてはならない。すぐに着る物を減らして急に薄着をさせてはならない。風や寒さによってこどもの体調を崩させてしまわないようにするのである。

【原文】

薄衣之法。當從秋習之。若至來春稍暖。須漸減其衣。不可便行卒減。恐令兒傷中風寒。

【書き下し】

衣を薄くするの法、當に秋從り之を習すべし。若し春來りて稍暖かきに至れば、須く漸く其の衣を減らすべし。便ち行い卒に減らすべからず。兒をして風寒に傷中せしむを恐る。

小児衛生総微論方 巻二 慎護論

・薄着は秋からだんだんと慣らしていく

 真冬に急に薄着にさせたり、春になったら急に着る物を減らすと、かえって体調を崩しやすくなるので、気温が段々と低下していく秋から開始して適応させるということです。

東洋医学的な季節に応じた服装とは

薄着のさせ方の他に、季節に応じた服装についての記載もあります。

【意訳】

こどもは冬にはうなじを覆うような衣服を着せるべきである。夏にはわきの開いた服を着せるべきである。衣服は背中を覆うようにし、下着は体幹部を一周して縫製し、これによって風や寒さを防ぐのである。内蔵のツボはみな背中に存在しているからである。

【原文】

凡兒於冬月。須着帽項之衣。夏月須着背褡。及於當脊。更襯綴一重。以防風寒所感。謂諸藏之兪。皆在於背故也。

【書き下し】

凡そ兒は冬月に於いては、須らく帽項の衣を着るべし。夏月は須らく背褡を着るべし。當脊に及んで、更に襯は綴じること一重にし、以て風寒に感ぜらるを防ぐ。諸藏の兪は、皆背に在るが故を謂うなり。

小児衛生総微論方 巻二 慎護論

・冬は頚を冷やさないような衣服

 東洋医学では、頚を冷やすと風邪をひきやすくなると考えられているので、冬場は薄着をさせるとはいえ、頚周りの大きく開いた衣服はさけるようにしましょう。

・夏はノースリーブの衣服

 夏場は熱気を発散させなくてはいけないので、ノースリーブの服や脇の開いた服を着せるようにしていたようです。

・背中の大きく開いた衣服は着させない

 背中には内蔵の治療に用いるツボが沢山並んでいるのですが、背中の大きく開いた服を着ると、重要なツボを冷やしてしまうのであまり着させない方がよいでしょう。

まとめ

 簡単にまとめますと、薄着は急に始めないで秋から徐々に慣らしていくということと、ただ単純に薄着をさせるのではなくて、薄着実行中も、季節に応じて露出しない方がよい部位を守るような服装をさせるということでした。
宮下宗三(Sozo MIYASHITA)
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