浅い呼吸で頭が疲れてしまった時や緊張時に効果的!ツボ押し深呼吸

息をするのも忘れて仕事に没頭する猫三

リラックスするために深呼吸をするという経験は皆さんもあると思います。逆に、ストレスのある時や、集中して仕事をしている時に呼吸は浅くなるわけですが、浅い呼吸は頭の働きも悪くしますので、効率を考えると時々休憩して深呼吸をすることが必要です。

ただ、深呼吸があまりにも簡単なことであるせいか、かえってどうすればよいのか迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。呼吸法には色々なものがありますが、今回は鍼灸師である私が、場所を選ばず2分でできる、ツボを押しながらの深呼吸法をご紹介します。

集中しすぎて浅い呼吸になり、かえって仕事がはかどらなくなってしまった時や、考え事をしすぎて頭がボーッとなってしまった時にこの呼吸法で頭をすっきりとさせましょう。

ツボを刺激しながらの深呼吸になるので、まず簡単に使うツボなどについて東洋医学的なことをご説明して、その後に実際のやり方をご紹介いたします。

呼吸が安定している人は長生き?

鍼灸学の古文献の『霊枢』という本には長寿の人の特徴について記載されている篇があるのですが、その特徴のひとつとして「呼吸が微徐」であることが挙げられています。この「呼吸が微徐」とはいったいどういう状態を指すのかというと、隋代の楊上善(ようじょうぜん)の注釈によれば「微微にして粗(あら)からず、徐徐にして疾(はや)からず」とあり、細くゆっくりとした呼吸ということになります。普段当たり前のようにしている呼吸が健康と深く関わっているというわけです。

昔の人も息苦しさや過呼吸で苦しんでいた

呼吸のトラブルといえば、なんとなく息苦しい感じがするものから、過呼吸の状態など様々で、東洋医学では「短気」「少気」「乏気」などと呼ばれています。その原因や考えられる病態は複数あり、専門家が直接観察しないと判断しづらいため、今回は経絡などと関連付けた手足のツボではなく、呼吸と直接関わる胸部にあるツボを以下にご紹介します。

ツボ押し深呼吸のやり方

使うツボの位置

息苦しいときのツボ

気戸(きこ)

乳頭線上で、鎖骨のすぐ下の骨のすき間に取る

膺窓(ようそう)

乳頭線と両わきの下を結んだ線とが交わる辺り、肋骨と肋骨のすき間に取る

歩廊(ほろう)

みぞおちから指の幅3本分くらい外側で、肋骨と肋骨のすき間に取る

ツボ押し深呼吸の手順

気戸-膺窓-歩廊の順番で、左右のツボを同時に軽く押しながら以下のような手順で深呼吸を5回ずつ行います。

①気戸を圧迫しながら深呼吸5回

②膺窓を圧迫しながら深呼吸5回

③歩廊を圧迫しながら深呼吸5回

唇をすぼめて呼吸する

鼻から吸って口から細く息を吐きますが、唇を小さくすぼめて吐くようにすると、しぜんとゆっくりとした細く長い息になります。また、吐く時にしっかりと息を吐ききると呼吸がスムーズにいきます。

ツボの押し方

人さし指だけで押すと指が疲れるので、人さし指から薬指の3本を使って押します。

力の入れ方のコツですが、ツボに対して垂直に圧力を加えていき、痛い感じや気持ちの良い感じのする手前あたりで圧を保持し、そのまま深呼吸します。圧を加えた後に、指をグリグリと動かすのはこの場合はあまり効果的でないのでやめましょう。

ツボ押し深呼吸のコツ

習慣づけること大切

呼吸は頑張っている時ほど無意識のうちに浅くなってしまいますので、忙しくて仕事量が多い時こそ意識的に小休止を入れ、頭をクリアな状態に保つようにしましょう。たったの数分の小休止を惜しんで仕事の効率を下げてしまったり、疲労を無意識のうちに蓄積しまわないように、ぜひツボ押し深呼吸を習慣づけてみてください。

参考文献

  • 『黄帝内経霊枢』天年篇
  • 楊上善『黄帝内経太素』巻二、壽限
  • 巣元方『諸病源候論』巻十三、氣諸病
宮下宗三

鍼灸師、成鍼堂治療院院長。鍼灸臨床の傍ら、古文献にある東洋医学的な養生法を現代人向けにわかりやすくアレンジしてウェブサイト上で発信している。イラストも手がける。

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