風邪をひいた時に食べたい、青ネギの味噌おじや超絶簡単レシピ

東洋医学的栄養学   宮下宗三

『本朝食鑑』巻三、葱

風邪をひいたときにネギや生姜を食べるという方は多いでしょう。

これらの食材は本草学では体を温めて発汗作用のあるものとされ、東洋医学的には特に風邪の初期の寒気がする時や、汗をかいて熱を発散させたい時に有効であると考えられています。

ただ、実際にネギや生姜を風邪の時にどのようにして食べればよいかというと、少し迷ってしまう方もいらっしゃると思いますので、今回は江戸時代の本草書の『本朝食鑑』からネギを使った簡単な薬膳レシピをご紹介します。

まずは『本朝食鑑』の原文をみてみましょう。巻3のいちばんはじめに収録されている食材が長ネギになりますが、そこにある附方の「感冒頭痛」に以下のような記載があります。

【原文:書き下し】汗無き者は、味噌を用いて飯及び生葱の葉根を煮て粥と作(な)し、熱に乗じて食して汁を取る。

※「取汁」と原文にあったので、とりあえずそのまま「汁を取る」書き下しましたが、『傷寒論』や『金匱要略』などの漢方関係の文献では発汗を促すという意味で「汗を取る」という用例があり、恐らく「汗」を誤って「汁」としたのだと思います。

以上がネギ味噌粥のレシピになりますが、このレシピは正確には風邪で頭痛がする時のためのものです。ただ、葱の本草学的な効果から考えると、次のような一般的な風邪の初期症状にも適用できると考えられます。

  • 寒気がする
  • 風邪気味で熱っぽく汗をかいていない状態

ネギのその他の効能-母乳の出が悪いときにも

ネギのその他の効能としては、『本草綱目』をまとめた李時珍(1518–1593)によれば、「肺の菜なり。肺病は宜(よろ)しくこれを食すべし。」とあります。また、「乳汁を通ず」とも記載され、母乳の出の悪い時にもよいとされています。

ネギおじやの作り方

それでは、実際に『本朝食鑑』に記載されるレシピを参考にしたおじやの作り方をご紹介します。原文では「お粥」となっていますので、お手間でなければお粥でもよいでしょう。

材料(一人前)

材料は軽量スプーンなどを使うのは面倒な方のために、かなりざっくりとしていますが、以下の通りです。やや薄めの味付けなので、濃い味がお好きな方はお好みで加減してください。ネギは根の部分と葉の部分を使うとされていますが、根の部分がすでにない場合は白い部分だけでも十分温まります。

  • ご飯:一膳
  • ネギ:白い部分と緑色の部分をそれぞれ手の横幅くらい(7~8cm)
  • 水:ご飯茶碗一杯分
  • 味噌:ティースプーン一杯

調理法

1.ネギを輪切りに刻む

葱を刻みます。包丁やまな板を使うのが面倒くさい場合はキッチンばさみを使ってもよいでしょう。

2.ご飯茶碗一杯分の水を沸騰させ、ネギと味噌を投入

先にご飯を入れると葱に火が通りづらくなりそうなので、まずは葱と味噌を投入。

3.少ししたらご飯を投入してできあがり

煮込みすぎると葱の効果が薄れてしまうので、ほどほどのところで火を止め、熱いうちに食べましょう。

風邪の時の葱の食べ方としては最もオススメ

冬のネギは凍葱などとも呼ばれていたようで、効果的にも他の季節に収穫されるものよりよいとされています。今回ご紹介したレシピは誰でも短時間で作れるのがポイントなので、寒い時期は葱を常備しておいて、寒気がして風邪っぽいなと思った時にすぐに食べられるようにしましょう。少し手間が増えますが、お好みで鰹節やすりゴマなどを散らすと美味しさがアップします。なお、養生学的には冬に汗をかきすぎるとよくないと考えられているので、食べ過ぎにはご注意を。

参考文献

『経史証類大観本草』(台湾正言出版社, 1978年, 柯氏本影印)

『本草綱目』(中国上海科学技術出版社, 1993年, 金陵本影印)

『本朝食鑑』(国立国会図書館蔵本)

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