東洋医学的にみた、突発性難聴・耳鳴りの原因について

突発性難聴の明確な原因はわかっておらず、一般的にはウィスルが関係しているという説や、内耳の循環が何らかの原因で悪くなっているために発症すると考えられているようです。

現代医学的には原因が不明確ですが、東洋医学の世界では、経験的にどのような原因が考えられていたのでしょうか?以下に様々な文献を参考にしながら、鍼灸師としての個人的な突発性難聴への臨床経験を交えて考察したものをまとめてみました。

睡眠不足・過労

突発性難聴や耳鳴りを発症される方の生活習慣をおうかがいすると、睡眠不足や過労気味であることが多いようです。東洋医学では、過労や睡眠不足は、耳の働きと関係の深い器官や、血行障害と関わっていると考えられており、少なくとも発症後しばらくの間は、休養を取るか、仕事量を調節する方がよいと思われます。『丹渓心法』という、約600年前の東洋医学の文献には、「労聾」という、疲労が原因の難聴についての記載もみられます。

冷え

東洋医学では、「風」が耳の症状の原因になると考えられていますが、風にあたることは言い換えると冷えととらえることもできます。風や冷気によって首周囲が緊張し、内耳の循環を悪くさせているとも考えることが出来ます。突発性難聴や耳鳴りを発症した方の中には、少なからず、悪い側の首筋の過度な筋緊張が認められることがあります。

また、冷えには手足などの末端の冷えもあり、末端の循環が悪くなることで、頭部の血管に負担がかかり、耳の循環障害を起こすということも考えられています。そのため、鍼灸治療をする場合は、足の冷えがあれば、足へのお灸などをした上で、耳周囲への鍼灸治療を行います。部分的な耳周囲の循環ではなく、全身的に循環改善をすることが必要になります。

ストレス

東洋医学では、病の発症の前段階として、精神的なストレスが深く関わっていると考えています。『三因極一病症方論』という宋代の文献では、病の原因を3つに分類しており、その1つを内因としています。内因はいうまでもなく、精神活動の乱れのことで、あらゆる病の大きな原因とされます。

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