体内の熱を冷ます夏野菜で夏ばて対策

夏バテによい夏野菜

 夏の暑さに体がついていけないと、食欲不振やだるさといった、いわゆる夏バテの症状が出てきますが、今回は夏バテによい食べ物をご紹介します。

 夏バテは夏の高温が大きな原因であると考えられますが、東洋医学では、体に熱を持った状態を主に二分類しています。

 ひとつは体表の熱で、もうひとつは体内の熱です。

 体表の熱は風邪の時の発熱と考えてください。この場合は、体表の熱を汗ととももに発散させる目的で、香辛料等の発汗作用のある食べ物をとります。

 一方で、夏バテの状態は体内にこもった熱と推測できますから、その場合は、体を冷やす効果のある夏野菜や果物を摂り、内側から冷やすとよいでしょう。

 というわけで、以下が体を冷やす性質の食べ物です。また、夏野菜の本草学的な効果もまとめてみましたので参考にどうぞ。

体を冷やす食べ物

以下が体を冷やす食べ物です。夏バテの主症状が胃腸に来る場合は、冷やす性質のものは食べ過ぎないようにしましょう。

キュウリ ナス ワラビ

ホウレンソウ 冬瓜 苦瓜 タケノコ

蕎麦 カニ 昆布 豆腐 ゼンマイ

スイカ ナシ 柿

夏野菜の本草学的な効果

ナス

熱性の症状によい。止血。腸を寛げる。慢性的な冷え症の人は食べ過ぎてはいけない。

トウガン

利尿効果があり、渇きを止め、胸腹の熱をおさめる。

トウモロコシ

食欲を増す。

キュウリ

身体の熱を冷ましたり、利尿効果があるが、食べ過ぎると身体を冷やすので注意。口や喉の乾燥や、喉が腫れ痛むときにも良い。

ソラマメ

胃を爽快にし、蔵府を調和する。

シソ

体内の冷えを除く。食欲を増す。胃腸を調える。痰を切り、肺の調子を良くする。

スイカ

口内炎。利尿効果があり、むくみに良いとされるが、身体を冷やすので多食しないように注意。口や喉の乾燥によい。

サクランボ

顏色を良くする。

冷やす性質の食べ物と冷やした食べ物の違い

 ここでひとつ注意したいのは、冷やす性質のある飲食物と冷たくした飲食物との違いです。

 冷やす性質のある飲食物とは、本草学的にみた「寒」の性質を持った食べ物で、その食材そのものが体の火照りを取ってくれるものです。

 冷たくした飲食物とは、冷たい飲料、アイス等の冷蔵庫等で冷やしたものです。一時的な爽快感を得るのにはよいですが、胃を傷め、食欲を減退させたり、だるさの原因の一つであるむくみを生じやすくしてしまいます。

 暑いからといって、冷たくした飲食物ばかり取るのではなく、夏の食べ物を食べることで体の熱感を取るようにしましょう。

 以下に夏野菜をたっぷり使った簡単レシピをご紹介しますのでお試しください。

夏野菜たっぷり簡単レシピ。山形郷土料理「だし」の作り方

 「だし」は、山形県の家庭料理で、夏野菜をみじん切りにして味付けをしたものです。ご飯や豆腐の上にかけて食べます。

野菜をみじん切りにするだけ。簡単です。

 今回ご紹介したとおり、全ての夏野菜が冷やすわけではありませんが、夏野菜の代表格であるナスやキュウリは本草学的に体内の熱をさます性質があるので、体が火照ってなんとなくだるい夏バテ症状のある方はナスやキュウリを多めに入れたダシをぜひお試しください。

 「だし」の作り方は以下の通りです。材料は家庭によって違うと思いますが、基本はキュウリ・ナス・ミョウガが入り、あとはオクラ・海藻類・モロヘイヤなどとろみのあるものを加えるといった具合です。醤油のかわりに麺つゆを使用してもおいしいですよ。

だしの材料

ナス キュウリ

ミョウガ オクラ

メカブ シソ

白ゴマ ネギ

醤油 鰹節など

作り方

1.野菜をみじん切りにする。

2.みじん切りにした野菜とメカブ、白ゴマ、鰹節、醤油を混ぜる。醤油の代わりに麺つゆを使ってもおいしいです。

3.ご飯や豆腐にかける。

豆腐の上にかけてもよいです

体内に潜んでいる冷え - 伏陰

 最後にひとつ注意もあります。夏には伏陰といって、体の中に潜んだ冷えが存在するという考え方もあり、そのため夏でも冷たい物は控えた方がよいとさえ言われています。何事も過度になるといけませんので、連続して冷やす物ばかり食べ続けないようにしましょう。

参考文献

  • 李時珍『本草綱目』(上海図書館所蔵金陵本、上海科学技術出版社)
  • 唐慎微『経史証類大観本草』(柯氏本、正言出版社)
著書紹介

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宮下宗三著『江戸の快眠法 東洋医学で眠れるからだを作る』(晶文社)

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宮下宗三

鍼灸師、成鍼堂治療院院長。鍼灸臨床の傍ら、古文献にある東洋医学的な養生法を現代人向けにわかりやすくアレンジしてウェブサイト上で発信している。イラストも手がける。

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