ツボと経絡、健康へ続く道

東洋医学の常識   宮下宗三

 ツボという言葉は誰もが聞いたことがありますね。念のため確認しますと、そのツボは鍼灸治療における、病気の治療点になります。

 そして、ツボは素人の方々からは想像のつかないような突拍子もない所にあることも皆さんご存じだと思います。

 例えば、肩凝りの治療なのに、手足のツボに鍼を打たれるということは、腕の良い鍼灸師に治療を受けたことのある方なら経験していることでしょう。

 なぜ手足のツボが遠く離れた肩の凝りに効果があるのでしょうか。残念ながらこのツボの現象は、統計を取ると確実に存在することはわかっているのですが、実際どのような機序で効果が発現するかは、血管という説や、神経という説もあり、まだまだ研究途上です。

 さて、この謎のツボ現象、昔の人たちはどうとらえていたか、それを今回ご紹介したいと思います。

 昔の人たちは、体表に経絡という皮膚と内蔵を連絡する道があると仮定していました。その経絡は主に十二通りの道で構成され、体のエネルギーや血を身体の各部位に運搬したり、それぞれの経絡が独自の働きを持って生命を維持していると考えていました。

 その通りが阻害されることなくスムーズに働いているのが健康な状態なわけです。

 逆に、経絡の働きが悪いのが病の状態で、経絡を調えて、苦痛を取り除くということが治療の目的になります。

 治療方法として考えられるのはもうお分かりの通り。経絡は皮膚にはり巡らされているで、皮膚を刺激すればいいんですね。

 そして、その経絡に対する治療点としてツボというのが存在するというわけです。もう一歩踏み込んで解説しますと、そのツボや経絡の状態は大きく分けて虚と実に分けられます。

 虚は不足した状態、実は充実しすぎた状態です。不足した状態にはそこを補う鍼やお灸の方法を用い、充実しすぎた状態にはそれを抑え込んだり取り除く技が使われます。

 鍼灸師は何気なく鍼を打ちますが、頭の中は常にツボと経絡にどのように鍼とお灸を使っていくかという事でフル回転しているわけです。

 ツボと経絡、その実態は存在しませんが、そういった働きはあるということで、透明人間みたいな感じですね。

 透明人間だと非現実的過ぎるので、身近な例では風なんかもそうです。風には物を吹き飛ばす働きがあるわけで、桜の花びらが散ったりするのは誰もが目撃したことがありますね。

 それなのに風そのものは見えないんです。ものが動かされているという働きを通して感じるわけです。物を吹き飛ばす何かがある、それじゃあその現象に名前を付けよう。命名、風。

 ここに鍼をするとあそこに反応が出る。それじゃあその現象に名前を付けよう。これが経絡とツボ。

 経絡には更にそれぞれ名前があって、ツボも一年の数と同じくらいあります。例えば・・・。経絡とツボについて今回はキリがなくなりそうなので、また別の機会にお話しします。

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