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食べ物や鍼灸のツボを使った冷え性の改善法

冷え性対策特集-上実下虚と上部の病

 今回は冷え症対策特集です。冷えが体に悪い影響を与えるのは、皆さんご存じの通りです。体を冷やしてかぜをひいたという経験は誰もが持っていると思います。

 この冷えですが、かぜ以外では腰痛や膝痛などの痛みも誘発しますので注意が必要です。筋肉は冷えると緊張し、痛みやすくなります。

 例えば、お肉を冷凍庫に入れるとカチカチに凍りますね。そして、暖かい場所にしばらく置いておくと解凍されてグニャッと柔らかくなります。

 解凍された柔らかいお肉は曲げたりしても折れる事は無いですが、凍った肉は手で簡単にパキッと折ることができます。

 人間の体にもこれはあてはまり、冷えて緊張した筋肉を急に動かすと、凍った肉が簡単に折れてしまうように、腰や膝などを痛めてしまうわけです。

 東洋医学では冷えは体内に蓄積していくと考えていますので、こまめに冷えを取ることが健康維持のためには欠かせません。

 今回は冷え性対策特集ということで、冷えを東洋医学的にどう考えているかや、冷え性のツボ、体を温める食べ物などをご紹介します。

家庭で出来る冷え性のツボ療法

上実下虚と足の冷えのツボ

 足の冷えと体の不調が同時に発生している状態のことを、東洋医学では上実下虚と呼んでいます。

 これは、足が冷え、下半身の循環が悪いせいで、本来下にめぐるはずのものがそのまま上にとどこおり、上半身の循環が過度になってしまった状態です。

 上半身の循環が過度になっていると、それが原因となり、腰から上に様々な症状が出てきます。

 例えば、上下に二つつながった風船を想像してみてください。その風船の下の風船の空気が上の風船に流れ込んでいくとどうなるでしょう。

 上の風船はどんどんふくらんでいきますね。風船には一定量の空気しか入りませんから、下の風船はしぼんで、上の風船はパンパンに破裂しそうな状態です。

 上実下虚は足の冷えによって下の方の循環が悪く不足し、下半身へ行くべきものが上半身にそのまま留まりますので、上半身への循環の供給が過度な状態です。そういうわけで、腰から上に症状が出てきます。

 発症する症状は様々。腰痛、頭痛、頭重、耳鳴り、難聴、めまいなどになります。

 話を風船の例に戻します。このパンパンに破裂しそうな風船を元に戻すにはどうすればいいでしょうか。方法は二つあります。

 ひとつめは風船に少し穴をあけて、上から空気を抜き、再度穴をふさぐという方法です。しかしながら、これだと風船全体の空気の量も減りますし、一時しのぎな感じがしますね。

 もうひとつは、上の空気を下に誘導して元に戻すという方法です。これですと、風船に穴をあけて傷をつけたり、全体の空気の量を減らすことなく上下の風船のバランスが調えられます。

 これを鍼灸治療におきかえると、循環の悪い下部である足の方に鍼やお灸をします。また、上下の中間地点である腰回りを暖めるのも効果があります。足の方へ鍼や灸をして、上から下の方へ流れを誘導してめぐらせていきます。

 よく使われる治療法としては、足の裏にあるツボへのお灸と、足首や腰回りへの灸頭鍼です。灸頭鍼とは、鍼の上へお灸をくっつける方法です。

 お灸の輻射熱と鍼の刺激の相乗効果によって熱が奥の方までジンワリとしみ込んでいきます。灸頭鍼は直接すえる種類のお灸ではないので熱くなることのない気持ちの良い治療法です。

灸頭鍼

灸頭鍼(きゅうとうしん)とは、鍼の上にお灸のせ、輻射熱で温める方法

 首や頭の痛みが足の冷えと併発している場合、肩や首に鍼をするだけでも確かに症状が軽減します。しかし、それでは風船の上部から少し空気を抜くのと同じことで、一時しのぎの手段になってしまいます。

 また、経験の浅いマッサージ師に治療されて「もみかえし」という辛い症状を経験された方もおおくいらっしゃると思います。

 これは、充実してパンパンになっている上部を過度に刺激し、さらに上部に血流などが集まってきてしまうために引き起こされると考えてください。

 根本的に肩や首を治すには、手や足といった末梢の循環を良くしなければならないわけです。

 治療は全体をみすえた上で行うということですね。

 冷え性の治療をする場合は、腰痛や肩凝りのように一回や二回の治療で治ることはあまり多くありません。体質を改善するような治療になるため、週に1回程度で定期的に継続する必要があります。多くの方は2~3ヶ月程度で冷えが軽くなると実感しています。

 また、私の行っている治療では、忙しいなどの理由で定期的に通えない方やのため、自宅でお灸をすえる方法を教えています。

 お灸は簡単で毎日5分ほどあればできてしまいます。忙しい方の場合は、治療計画を自宅でのお灸中心にし、月に2回程度の定期的な治療をおすすめします。

 以下にお灸のツボを載せておきましたので、自宅でお灸をしてみたい方は参考にして下さい。お灸は薬局などで手軽に手に入る台座型のものが簡単です。

家庭でできる冷え性のお灸のツボ

冷え性のつぼ

家庭用のお灸などで冷え性のつぼを刺激しましょう。

本草学的栄養学

 冷え対策で特に重要なのはズバリ食事の改善です。体が冷えていると自覚している方でも、食べ物の寒熱の性質を知らないせいで、キュウリやトマトといった、夏に収穫される体を冷やす野菜をサラダにして一年中食べていたりします。

 また、ヨーグルト等の乳製品も体を冷やす作用があるので、特にお腹が冷えやい方は避けた方が良いです。

 今回ご紹介する食べ物は、体を温める食べ物になります。冷え体質の方は特にこういった食材を積極的に食べるようにしましょう。

 ご自分が冷え体質か熱体質か分からない場合は、簡単なチェックリストを用意しましたので、確認してみてください。

体質チェックリスト

熱体質の人

  • 温かい飲み物はあまり好きではない。
  • 喉が渇く
  • 尿が黄色っぽい。または濃い。
  • 便秘しやすいほうだ。
  • 寝付きが悪い。
  • 汗をあまりかかない。
  • 風邪はめったにひかない。

冷え体質の人

  • 冷たい飲み物はあまり好きではない。
  • 尿が近い。
  • 下痢しやすかったり、軟便だ。
  • 寝起きが悪い。
  • 汗をかいても汗がなかなか引かず、肌が湿っぽくなりやすい。
  • 風邪をひきやすい。

冷え性を体の中から改善する、体を温める食べ物

ショウガ・ネギ・ダイコン・ハクサイ

ニンジン・サツマイモ・クリ・カブ

ニラ・ニンニク・トウガラシ・コショウ

酒類・肉類

追記

 自分の体質が熱体質か冷え体質かわからない方は、当院まで今すぐご相談下さい。当院では患者さんの体質に合わせて個別にツボの指導などを行っております。

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