痛くない微鍼術で全身を調える

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成鍼堂の鍼灸

宮下宗三著者:宮下宗三

 更新日:2024.3.24

もくじ

微鍼術とは?

微鍼術で用いる微細な鍼

成鍼堂では、微細鍼を用いた低刺激施術を、微鍼術と定義し、この微鍼術で施術を行います。全くの無痛か、鍼先の軽い接触痛のみなので、リラックスして施術が受けられます。

鍼の太さが半分の微鍼

色々な鍼の太さ

微鍼術で用いる鍼は、強刺激鍼で使用される鍼の約半分の太さです。

鍼の太さには番号がつけられており、番号が増えるにつれて鍼は太くなります。微鍼術では、00番(0.12mm)から0番(0.14)の範囲の鍼を用います。

その他の鍼術では、例えば電気鍼では3番(0.20mm)から5番(0.24mm)が用いられ、中国鍼では8番(0.3mm)前後やそれ以上のものが使われます。

刺したまま放置しません

鍼を刺したままにしません

鍼を深く刺したまま放置されると、刺さった鍼が気になり、逆に緊張してしまう方がいらっしゃいます。自律神経を調えるためには、緊張はよくありません。当院では鍼の刺したまま放置はいたしませんのでご安心ください。

鍼は放置せずに、1箇所ずつ丁寧に、伝統的な手技でやさしく刺激します。

鍼はそのつど除去します

それぞれのツボに鍼術を加えたあと、そのつど速やかに身体から鍼を除去しますので、施術中はどうぞおくつろぎください。

浅い刺激と接触刺激

深く刺したり、ズーンと響く鍼はしません

微鍼術では、鍼先での体表への接触刺激が基本です。刺すケースはあまりないですが、その場合も数mm以内の浅い鍼を行います。自律神経の調整には強刺激は向いておらず、筋肉に深く刺したり、しびれるような鈍痛を伴う鍼はしません。

また、一般的によく使用される、鍼管(しんかん)を用いずに鍼をしていきます。この鍼管とは、鍼を簡単に刺すための筒状の道具です。

鍼管はどのように使うかというと、鍼管に鍼を入れると、鍼の上部が5mmほどはみ出るのですが、このはみ出た部分を指で叩いて、一気に鍼を刺し込むといった感じです。

鍼管も使いません

たいへん便利な道具ですが、人によっては、この5mmを急に叩き入れられるだけでも刺激を強く感じるため、当院では鍼管も用いないことにしております。

こんな方は微鍼術が向いています

微鍼術は誰にでも合うわけではありません。体質や状態によっては深い鍼が必要な場合もあります。では、どのような方が微鍼術に向いているのでしょうか?

昔から体質に合わせて刺激量が調整されていた

古代の医学書で東洋医学の原典とされる『黄帝内経』では、体質による、微細な鍼と強刺激な鍼の使い分けが書かれています。

その文献の中では、体質を貴族と布衣(肉体労働者)の二つに分類し、刺激量の調整を推奨しています。

以下はその記載を参考にして、現代人の体質別の刺激量をまとめたものです。

自分に合わない強い刺激の鍼を受け、辛い思いをしないように、上の表を参考にしてぜひ当院をお選びください。

浅い鍼でも効くのか?

浅い鍼の歴史は長く、大宝律令(701年)の中で教科書指定されている『鍼灸甲乙経』という文献には、経穴(ツボ)に対して鍼をする際の、鍼の深さについての記載があります。

興味深いことに、実は経穴を狙った鍼の場合、深い鍼の指示がほとんどありません。手足の場合は数mm、深く刺す腰部でも1cm前後がほとんどです。

古医書にある鍼の深さ

経穴がそれぞれ持つ特有の効果をねらった鍼は、基本的に浅い刺激になります。また、鍉鍼(ていしん)という鍼先を軽く圧迫するのみの接触刺激鍼も存在していました。

逆に、経穴ではなく、筋肉や神経をねらう、疼痛緩和のための施術の場合、その部位に合わせて鍼を深くしていきます。鍼を深く刺す流派も当然古来から存在していたようです。

両者はどちらが優れているというわけでなく、上の節でご紹介したように、鍼の刺激は状態に合わせて調整されるべきです。

当院のような経穴に対する鍼をする場合や、体質的にみて強刺激に向かない方々には、微鍼術を用いるのが、歴史的・伝統的にみても妥当だと考えられます。

専門家仕様のやさしいお灸

微細なお灸

成鍼堂ではシールや軟膏を使用した灸や、台座つきの家庭用のお灸は使用しません。伝統的なモグサを直接のせるタイプの、やさしい火傷しないお灸をいたします。

特に内臓の働きを改善するツボに対しては、伝統的なプロ仕様のお灸が向いていると考えています。

自律神経と全身調整

鍼灸刺激と自律神経反射の関係は、基礎研究において様々な報告がされています。鍼灸のような体表の刺激が、内臓の働きに影響を与えることを、「体性-内臓反射」や「体性-自律神経反射」とも呼びます。

実は自律神経的な概念は東洋医学でも古くから存在し、陰気と陽気という言葉で表現されていました。この陰陽の気の調和が、ちょうど交感神経と副交感神経のバランスにあたるわけです。

では、鍼灸ではどのようにして自律神経失調による諸症状を軽くしていくのでしょうか?

全体を調える必要性

自律神経失調による体の不調には、内臓を調える全身施術が必要

自律神経は内臓の働きと関係します。そして内臓の不調は、様々な症状の原因になります。自律神経の乱れの影響を内臓が受け、内臓の機能低下によって様々な不調がもたらされるわけです。

つまり、自律神経失調による体調不良の緩和には、症状のある場所だけでなく、内臓を整える全身調整が必要です。

例えば、自律神経が乱れると、耳鳴りがしたり、めまいになることがあります。このめまいの原因のひとつとして、内耳の浮腫みなど、水の停滞が考えられています。

内臓のツボは全身にある

この場合、症状のある耳の周りだけに鍼をするよりも、自律神経の乱れによって機能不全をおこしている、水分代謝と関係する内臓も調える必要があります。

内臓を調えるツボは、主に背部や腹部に集中し、手足の意外な場所にも存在します。そのため、自律神経の乱れには、全身的な施術が必須になります。

伝統的な経穴学を現代に活かす

自律神経失調症の方のほとんどは、症状はあるけれども、検査すると異常なしという状態です。病の実態が把握できないが、症状はあるということです。

こういった病の実態のないものに対して、現代医学では対処しきれないことがございます。

東洋医学では、病の部分的な実態は重視しません。全身の循環や内臓の働きを調整すると、部分的な症状も改善すると考えているからです。

その調整手段のひとつが、経穴(ツボ)刺激です。

中国明代の経穴学書

そのため、実態のない症状に対しては、東洋医学的な経穴学を活用するのが最も効率的です。経穴(ツボ)にはそれぞれ特有の効果があり、あらゆる局面に対処可能です。

成鍼堂では、経穴学を現代人の抱える症状にも応用するため、経穴の古文献を研究し続けています。その経穴研究の成果の一部は、一般公開もしています。

現在は、江戸後期の鍼灸専門書『鍼灸要歌集』に収められる、経穴(つぼ)の和歌を全首テキスト入力し、イラストを付けるプロジェクトを実行中です。興味のある方はぜひご覧ください。

沢山刺すほど効果はあがる?

SNSの普及により、鍼灸師も気軽に情報発信できるようになりました。

過度の多刺の問題点

その中で、信じられないくらいの大量の鍼を刺した、衝撃画像や動画を時々見かけます。

こういった過度の多刺は、YouTuberやインフルエンサーの先生方が、最近考案したものが多く、多種多様なようです。沢山鍼をすると効果があがるとのことです。

では実際、沢山鍼をすると効果はあがるのでしょうか?

答えとしては、「はいそうです」とも言えます。ただ、少ない鍼でも同じ効果は出せるので、身体への負担を考えると、疑問の余地があります。

身体の凝りを例に考えてみましょう。

凝りにはその核となる点があります。その点に鍼が命中すると、全体的に緊張がほぐれます。点を探るのが上手な鍼灸師は、その点だけを狙っていきます。

点状の刺激

核となる点だけを狙った鍼をすれば、使うツボの数も少なくなり、身体への負担も軽くできるからです。

一方で、沢山鍼をするのは、点ではなく面に対する手法です。多刺でも効果が出る理由は、面で鍼を沢山していけば、そのうちに必ず核となる点に当たるからです。

面の鍼は、鍼灸師の技量に左右されず、一定の効果を出せる合理的な考えな気もします。ただし、施術を受ける側は、必要のない場所に沢山鍼をされて負担はたいへん大きくなります。

皆さんは、おでこに吹き出物ができた時、軟膏はどこに塗るでしょうか?吹き出物のできている、おでこの点だけに塗るはずです。顏全体には塗らないでしょう。

顔全体に塗っても、おでこの吹き出物に軟膏を塗るという目的は達成できますが、健康な部分の肌はひどく荒れてしまうからです。

過度の多刺は、業界でも問題視され、ほとんどの鍼灸院では行っていません。少数の目立つ方々が、SNS上では多数派に見えてしまいます。また、料金も高額な場合が多いので、損をしない鍼灸院選びをしましょう。

電気鍼と美容鍼はしません

電気鍼はしません

電気鍼は当院では行いません。電気鍼は、低周波鍼通電刺激といいますが、太い鍼を刺したままにして、そこに電極をつないで刺激する方法です。

この刺激がお好きな方と、苦手な方は二極化しています。苦手な方には電気を流される痛みは苦痛となり、鍼そのものがストレスとなります。

電気鍼をご希望の場合は、低周波鍼通電刺激をしている鍼灸院は多くありますので、お問い合わせの上そちらをお選びください。

また、美容鍼に対する問い合わせも時々いただきますが、美容鍼は専門外です。こちらも他の鍼灸院にご相談ください。

鍼の本数によって料金を加算しません

鍼の本数によって料金を加算していく鍼灸院もございますが、当院は定額制で、何か所鍼をしても同じ料金になります。

都度課金を気にせず、鍼灸師が判断する必要な場所に、必要なだけ鍼を行っていきます。

回数券やサプリメントは販売しません

回数券やサプリの販売はしません

鍼灸院へ行くと、高額な回数券の購入を求められるのではないかとご心配な方も多いと思いますが、当院では回数券販売はいたしません。

そもそも、返金ができず、使用期限のある回数券は、利用者側が得をするシステムではないと考えています。

また、サプリメントの販売なども一切行っておりませんので、どうぞご安心ください。

ご家庭での養生をご指導します

台座つき灸

成鍼堂では、忙しくてなかなか施術を受けられない方のために、ご家庭での養生法もご指導しています。

家庭でできる台座つき灸を使った、セルフケアの方法などもお教えします。お灸やツボ刺激などをぜひご家庭でも行ってみてください。

施術所内では、季節に合わせた養生のアドバイス資料を無料で配布しております。

呼吸法、ツボ刺激、食べ物についてなど、日々学んでいることをアウトプットしています。来所された際は何部でも遠慮なくお持ち帰り下さい。

施術にかかる時間

施術時間は初診の方は45分から60分、2回目以降は30分から45分になります。

施術時間を固定化していない理由は、その時の状態に合わせて鍼やお灸の量を調節しているからです。施術後にご予定がある場合は、初診時は60分程度、2回以降は45分程度お時間をみていただければ、その時間内には終わります。