家庭でできるお灸のすえ方(透熱灸篇)

透熱灸(とうねつきゅう)とは

 透熱灸は、ゴマ粒ほどの小さなお灸を肌に直接のせて最後まで燃焼させるものです。そのため、透熱灸をすると、直径1㎜前後の小さな火傷ができます。火傷といっても、だいたい数日から1週間以内に消えてしまう程度のもので、熱さも瞬間的にチクッとするくらいです。

 お灸は温熱療法的なイメージがありますが、実はこういった人為的に作られる小さな火傷は、免疫力などの生体の防御機構を高める効果があります。

家庭でプロのようなお灸を

 透熱灸はもぐさをひねってゴマ粒ほどのお灸を作らなくてはならないので、本来ですと訓練されたプロか手先の器用な方でないと難しい技術なのですが、なんと今回ご紹介する方法で行えば簡単にできます。熟達すれば、ほとんど火傷の痕を残さずにすることも可能です。

透熱灸のやり方ビデオ-Video

透熱灸のやり方

注意

 持病をお持ちの方は、鍼灸師か医師にご相談の上行うようにしてください。

用意する物

  • もぐさ
  •  もぐさには低級のものから上級のものまでありますが、透熱灸には最上級のもぐさを用います。

     良質のもぐさは低温で燃焼時間が短いため、火傷を最小限に抑えることが可能です。粗悪なものは高温で長時間燃焼するため、深い火傷を作らないためにも、絶対に使わないようにしてください。

     家庭で使用する場合は、10g程度購入すれば、最低でも数ヶ月は使用できます。値段の目安としては、最上級のものでも10gで1000円から2000円の範囲内で購入できるので、かなり経済的です。

  • ペン
  •  ツボにしるしを付けるのに使います。

  • ハンドクリームなど
  •  お灸を肌にくっつける糊の役割を果たします。通常は紫雲膏(しうんこう)などの軟膏を使うことが多いですが、どの家庭にもあるハンドクリームなどで代用してもけっこうです。

  • コルク板
  •  もぐさを伸ばすのに使います。

  • ライターと線香
  •  お灸には線香で火を付けます。

手順

  • もぐさを少量取って、コルク板の上にのせます。
  • もう一枚のコルク板を軽く重ね、上下にスライドさせながらもぐさを直径1mm程度のひも状に伸ばしていきます。
  • ひも状のもぐさを左手の親指とひとさし指でつまみ、尖端を5mmほど出しておきます。
  • 右手でもぐさの尖端をちぎります。
  • ちぎったもぐさをツボの上にまっすぐ立てます。
  • 線香でもぐさの尖端に点火します。
  • もぐさがどんどん燃焼していきますが、このまま燃やしきるとたいへん熱いので、もぐさが燃え尽きる寸前を見計らって、指でつまんで消火します。燃焼中のもぐさは不思議と指で触ってもそれほど熱くありません。消すタイミングはお好みで。
  • 続けて行う場合は、灰の上にそのままのせて行います。
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著者:宮下宗三

鍼灸師。成鍼堂治療院院長、新日本医師協会鍼灸部会学術部長、日本伝統鍼灸学会評議員。著書に『江戸の快眠法』(晶文社)、『鍼灸師・マッサージ師になるには』(ぺりかん社)がある。古文献にある東洋医学的な養生法を、現代人向けにわかりやすくアレンジしてウェブサイト上で発信している。イラストも手がける。

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