更年期障害の鍼灸治療

体への負担の心配がない東洋医学が積極的に利用されるべき

 更年期障害は様々な症状を引き起こしますが、これらのほとんどが原因不明のもので、適当な治療手段が存在せず、我慢して時間の経過を待つという方が大変多く見られます。

 代表的な更年期障害の症状としては身体の熱感(のぼせ感、足の火照り)、めまい、頭痛、急な激しい発汗、動悸等がございます。

更年期の症状は周囲の理解を得づらいこと多い

 どの症状も大変苦しい症状です。しかしながら、これらの症状は怪我などと違い外見から判断できないため、周囲の理解が得られないという患者さんが多くいらっしゃいます。

 更年期障害はホルモンや自律神経のバランスが崩れるといった、分かりやすいようで分かりにくい原因が一般的です。

 体の具合が悪ければ、気持ちが落ち込むのは当たり前なのですが、患者さんの中には最終的に病院やクリニックなどでお医者さんから「うつ病」と診断され、抗うつ剤を服用される方もいらっしゃいます。

更年期と向精神薬

 更年期障害の治療は二通りです。1つは、薬を飲み続けたり、このまま閉経するまで我慢するという道。

 2つめは、もうひとつの医学である東洋医学を選択するという道。

 当院では、鍼灸を用いた更年期障害の治療を行っております。更年期障害の治療は、本来は副作用などの体への負担の心配がない東洋医学が積極的に利用されるべきであると考えておりますが、情報が極端に少なく、不安に思われる方も多いと思います。今回以下に、当院で行っている実際の治療法をご紹介いたしますので、どうぞ治療の選択の参考にしてください。

東洋医学と更年期障害

 鍼灸治療はWHO(世界保健機構)が1996年に出した見解で、「女性不妊」「月経異常」「分娩の誘発」「月経困難症」を適応症としておりますように、女性特有の症状に効果があることはいうまでもありません。

 また、鍼灸(針灸)医学においても更年期という概念は存在し、例えば、中国鍼灸(針灸)医学古典の『素問』という書物の中では、女性の場合は7の倍数の歳で身体が変化していくと記載されています。

 その『素問』の中では、女性の場合、35歳から老化が進行し始め、42歳前後、49歳前後がそれぞれ節目の歳として挙げられています。

更年期と東洋医学

更年期や更年期障害という概念は東洋医学の古代医学書にもみられ、最近発見された病気ではありません。

 現代医学的にはホルモンのバランスの崩れによって更年期障害は引き起こされますが、鍼灸(針灸)医学では女性ホルモンに近いものとして、腎気(じんき)や天癸(てんき)といった概念があり、この腎気と天癸が35歳以降衰えていくわけです。

 当院の行っている更年期障害鍼灸(針灸)治療では、全身治療によって、自律神経を調え、ホルモンのバランスを調節し、加齢によって引き起こされる症状を緩和していきます。

更年期障害による複数の症状を同時に治療

ご自分の足を触ってみてください。冷えを感じる場合は上実下虚タイプ。逆に手足も火照る場合は別のタイプとしてそれぞれの方に合った治療を行う。

 更年期障害の症状には大変個人差があり、症状が1つの方や、複数の症状を持たれる方がいらっしゃいます。

 全身症状が同時に現れるのが更年期障害の特徴ですが、ひとつひとつの症状ばかりに目を向けるのではなく、全体のバランスを調える治療を行います。

 例えば、ホットフラッシュという症状があります。体が急に火照ったり、頭がのぼせるような感じになったりする症状で、頭痛や頭重感、めまい、肩や首の凝りなどを伴うことがあります。

 東洋医学的にみても、更年期の症状の原因は様々ですが、その原因のひとつとして、上実下虚タイプというのがあります。

 上実下虚とは、手や足などの末梢の循環が悪いために手足が冷え、本来手の足の先にまでめぐるはずの血が、身体上部に留まって、よどんでいるような状態です。これによって、のぼせや火照りを感じるようになります。

 ご自分の手で足を触ってみて、冷たく感じる場合は、上実下虚タイプになります。この場合の、火照りや頭重感、肩頚の凝り感は、体の上部へ鍼やお灸をする前に、根本的な原因である末梢の循環を改善する必要があり、そのため、手や足の方へ鍼やお灸を行っていきます。

上実下虚のイメージ

上実下虚タイプの方は、足が冷えなどがあり、末梢の循環が悪いため、上部の循環がよどんでいるようなイメージです。そのため、症状が直接出ている頭部や肩の治療だけでなく、根本的な解結のために、足の方の循環をよくする治療を行います。これによって上部の循環が下部へ誘導され、循環のバランスを取り戻し、症状が改善されます。

 末梢の循環が改善されれば、身体上部によどんだ血液が手や足といった末梢の方へ流れていき、上部の血管の負担が軽減され、症状が軽快していきます。また、頚や肩の症状、めまい感なども上実下虚と関係していることがあり、全身のバランスを調えることで、複数の症状を同時に軽減させることが可能です。

 また、逆に手足が熱く感じるような、上実下虚タイプ以外のものや、それ以外にも原因は様々ございますので、当院では全身の状態を詳しくお伺いして、それぞれの方に合った治療法を選択して行います。

鍼灸治療の頻度と期間について

通院の負担を抑えるために、ご自宅で手軽に出来る治療法をお教えします。

 更年期障害そのものにも大きな個人差があるように、治療期間や回数にも当然個人差があります。そのため、治療期間の目安についても一律に申し上げづらいのが現状です。

 しかしながら、これはお問い合わせの時によくある質問ですので、あえて参考までに治療期間を申し上げますが、大多数の方が2ヶ月程度の治療で改善していきます。

 治療の頻度は週1回のペースで受療されるのが望ましく、休みのとりづらい方の場合は最低月2回程度来院されています。

 当院で行っている更年期障害の鍼灸治療では、以上のように月2~4回程度の治療ですので、毎日のように治療院へ通わなくてはいけないのではないか、という心配をする必要はありません。実は、少ない回数で治療を行う秘密があるのです。

 その秘密は、治療計画の中に必ず取り入れていただいている自宅でのお灸治療です。

自宅でのお灸治療を併用する

 更年期の方は年齢的に現役世代ですので、仕事や家事を続けながら治療をできるようにしなければなりません。通院での治療の大きな補助として、お灸をしていただくわけです。これによって、治療の回数が減らせます。

 また、更年期障害が改善された後もお灸のファンになり、月に1回程度の頻度で体調管理のために鍼灸治療を受け、そのたびに自分に合ったお灸の場所をご相談される方もいらっしゃいます。

実際の治療例 45歳

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のぼせ、耳鳴り、突然の発汗、寝汗、ホットフラッシュ(熱感・火照り)と寒気、胸やけ、肩凝りが2年前から継続していて、医師からは更年期障害と診断されるが、ホルモン補充療法(HRT)などは行っていない。

鍼灸治療の経過

治療は週に1回の頻度で行った。

2診目:肩の痛み軽減

3診目:足の冷えが改善し、のぼせ感が楽になる。

4診目:3診目と大きな変化無し。

5診目:全体的に症状が軽減してきてた。

6診目:初診時に訴えた耳鳴り、突然の発汗、寝汗、ホットフラッシュなどの諸症状が消失した。

※施術の結果には個人差がございます。施術例は効果を完全に保証するものではなく、参考として掲載していることをご理解いただきますようお願いいたします。

追記

 院長の宮下です。私が更年期障害の治療を始めたきっかけは、自分の母の治療をした経験からでした。鍼灸師になるまでは、自分の母の体の事は全く理解していないという状態でしたので、家族の健康に目を向ける良い機会になりました。

 その後母はすっかり鍼灸治療のファンになり、現在でも体調管理や将来病気になるリスクを解消するために、定期的に私の治療を受けています。東洋医学は何よりも副作用のリスクがないので、自分の家族にも積極的に使えました。

成鍼堂の更年期障害治療が掲載

院長の宮下が執筆した更年期障害の治療に関する論文

 また、私の更年期障害に対する鍼灸治療への取り組みについては、鍼灸業界で最も歴史が古く、読者数の多い『医道の日本』という雑誌に論文として掲載されています。

 これをご覧になって東洋医学で治療してみたいとお思いの方は遠慮無く今すぐお問い合わせ下さい。

成鍼堂治療院 院長 宮下宗三

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