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不眠症に対する鍼灸治療

成鍼堂では、鍼灸による睡眠ケアを専門的に行なっております。以下に不眠症のタイプや原因、鍼灸の考え方についてまとめましたので、睡眠改善に興味のある方はぜひご参考にしてください。

もくじ

睡眠障害のタイプ

不眠症はには「入眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」「熟眠障害」などがございます。これらが週に2回以上、1ヶ月続いてしまい、日常生活やお仕事に支障をきたしてしまうものが、不眠症と定義されているようです。

入眠障害

布団に入ってから2時間以上眠れないものが入眠障害と呼ばれています。通常は15分から30分程度は入眠までに時間がかかるものなので、布団に入ってすぐ眠れないからといって、あまり心配しないようにしましょう。

中途覚醒・早朝覚醒

夜中に2回以上目が覚めてしまうものが中途覚醒と呼ばれます。また、実際に起きなければいけない時間よりも2時間以上早く目が覚めてしまうものを早朝覚醒といいます。

ただ、覚醒後すぐに再入眠できて、心身の不調を伴わないものに関しては、それほど気にすることはございません。年齢とともに、朝まで連続した睡眠はできなくなっていくものです。完璧な快眠を気にしすぎることによる心労の方が、体によくないことがございます。

熟眠障害

朝ぐっすりと眠れた感覚がなく、すっきり起きられないものを熟眠障害といいます。日中の疲労感や倦怠感は、睡眠と関係のない他の病の兆候である場合もあるので、まずは病院などで検査してもらいましょう。

深部体温の低下により眠気が発生する

眠気が発生するメカニズムのひとつに、体温の変化があげられます。特に深部体温は1日の中で変動し、日中に高く、夜になると低くなるといわれています。眠気はこの深部体温の低下が引きおこすと考えられているため、就寝直前の入浴や、運動は睡眠を妨げる要因のひとつとされています。

身近にある様々なことが睡眠と関係する

心を寝かせる

スマートフォンや、電子機器などで、一日中誰かとつながっていたり、動画などの娯楽を楽しめるようになりました。ただ、手軽で身近でありすぎるため、寝る直前まで電子機器に触れてしまう方は多いのではないでしょうか。

『千金方』という中国唐代の鍼灸と漢方の専門書には、「まず心を寝かせ、その後に目を寝かせる」とあります。眠る前には電子機器から離れ、できるだけ心を落ち着かせましょう。

お茶は江戸時代に「目覚まし草」と呼ばれたいた

カフェインには覚醒作用があるため、夕方以降は控えましょう。カフェインはコーヒーだけでなく、緑茶にも含まれますので、夕食後にどうしても飲みたい場合は、できるだけ薄く入れるなどの工夫が必要です。

カフェインの入った緑茶は、江戸時代には「目覚まし草」などと呼ばれていたそうで、『養生訓』で有名な貝原益軒の書いた、漢方の生薬の解説などがされる『大和本草』という書物にも、その記載がみられます。

エアコンの使用を躊躇しない

気温が高かったり、湿度の高い時期は、エアコンを適度に利用することで入眠がしやすくなります。冷え性の方はエアコンの使用を躊躇しがちですが、エアコンをかける際は、体に直接冷気があたらないようにし、布団をしっかりかぶって眠るようにすれば問題ないでしょう。

ストレス緩和の方法を身につける

精神的なストレスは、自律神経のバランスに影響します。日中に過度のストレスがあった場合、眠る前に自利神経を整えるセルフケアをして、心と身体の緊張をリセットしましょう。成鍼堂では、家庭でできるセルフケアのオリジナル資料を作成し、皆さんにお伝えしております。

朝日を浴びた15時間後に眠気が発生する

よく眠るためには、朝の過ごし方にも工夫が必要です。睡眠と関係するメラトニンは、朝日を浴びると抑制され、その約15時間後に再び増加するとされています。夜に自然な眠気を起こさせるためには、朝起きたらしっかりと朝日を浴びることが大切です。

胃の不調が睡眠と関係する?

東洋医学では、胃の不調が不眠と関係していると考えています。特に夜の過食は睡眠の妨げになりますので、よく眠りたい時ほど、腹八分目を意識して夕食をとりましょう。また、食後はすぐに横になったり、座りっぱなしにならないようにし、室内で適度な活動をするとよいとされています。

睡眠障害への鍼灸

成鍼堂では睡眠障害に対して、以下のような考えのもと、鍼灸治療を行っております。

体の緊張が心を過敏にさせる

精神的なストレスは、体の緊張を引きおこします。また、東洋医学では、体の緊張によって、こころの不調をきたすと考えられています。心身は一体の関係にあるというわけです。

逆に体が調うと、心もそれにつられて楽になっていくことが多くあります。精神的に辛い時は、心を無理にととのえようとはせず、まずは体をほぐすことを意識しましょう。

今お感じになっているストレスは、体からくる心の緊張のために、いつもなら気にならないような事に、心が過剰反応してしまっているだけかもしれません。鍼灸治療に用いられるツボには、古来から体をリラックスさせたる効果がうたわれるものがあり、現代でも不眠症の方の施術に応用されています。

鍼灸で自律神経を整える

自律神経は、交感神経と副交感神経で構成されています。車のアクセルとブレーキに例えられることが多く、それぞれアクセルが交感神経、ブレーキが副交感神経とされます。

1日の中の自律神経の働きは、通常夜になるとブレーキの役割のある副交感神経が優位になります。ただ、夜遅くまで働いたり、ストレスが長く続いていると、アクセルが踏まれっぱなしの状態になり、夜も休息モードに入りません。

鍼灸の一般的に知られている効果に、自律神経のバランスを整える作用がございますが、施術を受けた夜はよく眠れるようになるのはこのためです。自律神経を整えて、活動と休息の切り替わりがスムーズにいくようにしましょう。

末梢の皮膚温をあげて入眠しやすくする

眠気は深部体温の低下によってもたらされるということを前述しました。この深部体温は、手足などの末梢からの熱放散によって促進されます。そのため、眠る前には足を温め、末梢の皮膚温をあげることで、深部体温を下げていくとよいとされます。夜布団に入っても足が冷たいままの方は、根本的な冷え性の改善が必要です。

胃腸を整える

胃腸が睡眠と関係しているのは意外なことですが、胃の不調に心当たりのある方には、必ず胃腸を整える施術も同時に行っております。東洋医学では、胃の不調は万病のもとと考えられています。

睡眠障害・不眠症のセルフケア資料

睡眠の東洋医学的なセルフケア方法の資料を配付

成鍼堂では夜眠る前に行う、不眠症のセルフケア方の資料を作成し、ご来院時にさしあげております。セルフケアの方法は、すでに広く知られている現代医学的なものではなく、江戸時代の養生書に記載されているものを参考に作成しております。

睡眠障害への東洋医学的アプローチを専門的に研究

院長の睡眠に関する著書

以上が成鍼堂における睡眠障害に対する鍼灸治療の考え方になります。私自身は東洋医学的な睡眠ケアを専門としており、『江戸の快眠法』(晶文社)という本も執筆しております。睡眠は心身の健康と大きく関わります。不眠症でお困りの方は、東洋医学的なケアの方法もぜひお考えください。

鍼灸師 宮下宗三

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