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大好きだから距離を取る – 養生訓に学ぶ 003

宮下宗三著者:宮下宗三

 更新日:2024.10.9

 毎日二時間くらいだろうか。ドラマや映画のサブスクを契約してから、かなり多くの時間を動画視聴に費やしている。

 次々と面白いドラマが登場し、永遠に飽きることがないし、スマホでも視聴できるので、ちょっとした空き時間を潰すのにもすごくいい。

 ただ時々、あまり自分好みでないドラマを引くと、すごく多くの時間を無駄にした気になる。

 実際に、毎日二時間の動画視聴はどれくらいの多さなのだろうか。私の普段の睡眠時間は七時間なので、一日の活動時間はざっくり十七時間。

 その割合を計算してみると、なんと、動画の視聴時間は一日の12%。言い換えると、人生の12%も動画視聴に捧げている。

 しかも面白いドラマを引くと、そのドラマの主題歌が脳内で連続再生され、意識があちら側に飛んでいる時もある。実際の視聴時以外にも影響があるので、12%どころではないのかもしれない。

娯楽は過ぎると心を病ませる

 養生において娯楽は、心を養うものとされる。ただ、過度になると心を病ませるとも考えられている。

 実際に動画やゲームなどの依存症になる人は増えつつあり、WHOは最新の国際疾病分類にゲーム障害を加えた。依存症になると、純粋に娯楽を楽しまなくなり、脳から快楽物質を出すために娯楽に触れるようになる。

 脳が渇望を満たそうとさせるため、自分の意思は効かない。

 そして仕事や家庭に悪影響が出ても、娯楽への過度な接触がやめられなくなる。しかもその娯楽に触れていないと、様々な心身の症状が出現する。

 依存症の原因は様々あるが、その一因として、大量に長期間娯楽に触れることが挙げられる。

 つまり、その娯楽が好きであればあるほど、少し距離をとりながらほどほどで楽むべきだ。好きな事は、いつまでも楽しいままでいられるようにしたい。

 『養生訓』には「養生の術は、先わが身を損なふ物を去るべし。」という一文がある。

 過度な娯楽は心身を病ませる。一日の中で娯楽に触れる時間を計算してみて、多すぎると思ったらすこし減らしてみよう。