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五十肩・四十肩(肩関節周囲炎)の鍼灸

宮下宗三著者:宮下宗三

 更新日:2024.5.17

肩の痛みがあり、着替えなど肩関節を大きく動かす動作がしづらくなったり、寝ている時に痛みで目が覚めてしまったりする症状が、40代から50代の方によく現れます。通称四十肩や五十肩と呼ばれるもので、肩関節周囲炎とも言われます。

五十肩と診断された場合は、基本としてはおくすりの治療や、温熱療法、運動療法などの保存的療法が行われますが、慢性化するとなかなか思うように治癒が進まないことがございます。

五十肩(肩関節周囲炎)の鍼灸

成鍼堂では、鍼灸による肩関節周囲炎の治療を行っており、主に以下の3点を治療のポイントとして重視しております。

(1)肩関節周囲の循環改善による関節内の癒着の緩和

関節内に癒着が起こり、慢性化していくと、肩関節が固まってしまったようになることがございます。この関節部の癒着は早期からの循環改善で防いでいきますが、すでに関節が固まってしまった場合も、鍼灸で関節周囲に部分的な刺激をすることで緩和していきます。

(2)筋や腱の部分的な拘縮を特定し緩める

筋や腱の拘縮は、肩関節の周辺だけでなく、上腕全体に及んでいることもございます。筋肉や腱の緊張は画像診断では把握しづらいため、実際に手で触れ、圧痛や硬結部位を細かく特定して施術しなければなりません。

(3)セルフケアにお灸を用いる

五十肩は急性期を過ぎた場合、冷やす治療よりも温める方がよいというのは一般的に知られているところで、整形外科などでも温熱治療が行われます。

当鍼灸院では温熱治療の一環として、家庭でできるタイプのお灸のやり方をご指導し、セルフケアに用いていただいております。お灸には温熱刺激以外にも、炎症を抑える作用があるため、肩関節周囲炎に向いている方法だと考えております。

慢性化させないためには放っておかない

五十肩は軽度のものであれば、自然に治まっていきますが、関節が拘縮し、慢性化した場合は半年以上かかってもなかなかよくならない事がございます。

あまり放っておかず、慢性化してしまう前に鍼灸を行うと、より早い回復の手助けになります。