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橈骨神経麻痺の鍼灸治療

宮下宗三著者:宮下宗三

 更新日:2024.5.17

橈骨神経麻痺とは

橈骨神経麻痺の症状下垂手

橈骨神経麻痺は、肩から肘の中間点あたりにある橈骨神経溝が、圧迫などによって損傷し、手首や指の麻痺がおきてしまうものをいいます。睡眠時に腕枕をした後や、飲酒後に腕を圧迫するような姿勢で寝たことが原因で起こることが多く、骨折などの怪我によってもひきおこされます。

神経の圧迫部位によって症状が異なる

橈骨神経麻痺の絞扼部別症状

橈骨神経低位の圧迫

橈骨神経低位である、肘より下の圧迫では、尺側手根伸筋や指や手首の伸筋が障害されます。そのため、全指の指の付け根の関節を伸ばす運動ができなくなります。手の感覚の障害は出ないか、軽度であることが多いようです。

橈骨神経高位の圧迫

橈骨神経高位である、わきの下から肘関節あたりの圧迫では、尺側手根伸筋や指や手首の伸筋に加え、腕橈骨筋、長橈側手根伸筋が障害されます。そのため、全指の指の付け根の関節と、手首をそらせる運動ができなくなります。また、手の親指から中指にかけての感覚の障害もでるようです。

橈骨神経麻痺の鍼灸について

橈骨神経麻痺の鍼灸

橈骨神経麻痺は、骨折など怪我によるものと、睡眠時などに神経が圧迫されるものとの、2つのタイプに大きく分けられます。鍼灸が向いているタイプの橈骨神経麻痺は、後者の圧迫によるものです。怪我などによって、神経が断裂してしまっている場合、程度によっては施術が難しいことがございます。

鍼灸は損傷した神経の自然回復を助け、できるだけ短期間で再び手が動かせるようにする目的で行われますが、実際にどのように施術が行われるか、成鍼堂での施術方針を例にあげてご紹介いたします。

成鍼堂(東京練馬)の橈骨神経麻痺への鍼灸

損傷部位を推測し、循環をうながす

回復を助けるためには、橈骨神経の損傷部位を推測し、そこへ確実に刺激を与え、循環をうながすことです。損傷部位は症状から大まかに推測できますが、更に細かく部位を特定するには、手の感覚を頼りに、過度に緊張していたり、弛緩している場所を探っていきます。状態によって鍼とお灸を使い分け、両方用いることもあります。

手や手首への鍼灸

麻痺が出ている手や手首は、特に回復が始まった後から、疲労感や違和感が出現することがあります。順調に回復していただくために、神経の損傷部位だけでなく、手や手首にも施術を必ず行います。

腕神経叢(C5-T1)の刺激

橈骨神経は首の骨の下部(頚椎C5)から、胸の骨(胸椎T1)から形成される、腕神経叢から枝分かれしています。麻痺とは直接的には無関係ですが、根本の部分に鍼をすることで、間接的に橈骨神経を刺激していきます。特に腕神経叢の刺激は、外側から押したり揉んだりする指による施術よりも、鍼を用いる方がより向いています。