手のしびれや手根管症候群への鍼灸

手がしびれていると、物事に集中できなかったり、一日中気になって嫌な気分になってしまうことと思います。

脳が関係する中枢性のものの場合は、すぐに手術が必要なこともございます。また、手根管症候群の場合もやはり手術をすすめられるケースがありますが、できるだけリスクのない方法を選択したいとお考えでしょう。

手術以外の別の方法としては、整体などで症状を一時的に緩和しながらがまんしているという方も多いかと思いますが、鍼灸についてはご存じでしょうか。

当院では、手のしびれに対して鍼灸を用いた治療を行っておりますが、以下にどのように対処していくかということや、鍼灸の実際の効果についてご紹介いたします。

どのようにして手のしびれに対処するか?

総合的な治療が根本治療につながる

総合的な治療が根本治療につながる

鍼灸特有の筋緊張緩和作用と抗炎症作用

手のしびれの原因も過度に緊張した筋肉によって神経や血管が圧迫されるということが考えられています。また、痛みに関しては炎症が関連していることが多くあります。

一般的に鍼灸の効果としてよく知られているのは、緊張した筋肉をゆるめる作用や、炎症を鎮める作用です。これがしびれに対して効果的な理由のひとつになります。

首と手の関係

首が手と神経学的に関連している。

首が手と神経学的に関連している。

首の異常が手の症状と関係していることも多くございます。手のしびれは頚椎症の方の典型的な症状のひとつでもあり、この場合は首を調えることが重要になります。当院では、手のしびれの方に対しても必ず首の状態を診させていただくようにしており、頚部のズレやゆがみに対する調整鍼を行っております。

自律神経の調整作用

手のしびれ病院を受診して、手根管症候群という症状名を告げられたという方も多くいらっしゃいます。この病気の原因のひとつとして、更年期や出産前後の女性ホルモンの乱れにより、手根管という手の神経の詰まった管の内圧が上昇し、症状が出現すると考えられています。

ホルモンの乱れは自律神経と深く関係しており、当院では手の治療だけでなく、全身的な状況をお伺いして、自律神経を調節する治療と組み合わせて行っております。

鍼灸は根本治療なのか?-海外で行われた手根管症候群に対する効果の検証データ-

『Journal of Research in Medical Sciences』に投稿された論文によれば、軽度から中等度の手根管症候群患者を、手首の装具・ビタミン剤・偽の鍼をしたグループと、装具・鍼治療を行った2グループをの効果の差を調査しました。それぞれのグループは32名で構成され、治療は4週間で8回という短期間で行われ、鍼治療を行ったグループは偽の鍼を行ったグループと比較して統計的にみて有意に自覚症状(GSS)を改善する効果があったとの結果が出ています。

手のしびれと鍼灸治療に関する科学的な研究も進められている。

手のしびれと鍼灸治療に関する科学的な研究も進められている。

また、アメリカ疼痛学会の『The journal of pain』に掲載されている別の研究では、鍼治療とステロイド内服治療後に13ヶ月という長期経過観察を行ったところ、鍼治療はステロイド内服よりも長期的に効果を維持できているという結果がでております。この結果からも、鍼治療は根本的な治療であるということができるかもしれません。

これらの研究によれば、症状が重度の方の効果は不明で、特に軽度から中等度のものには効果が出やすいかもしれないということがわかります。2つの論文中では治療で使われたツボも紹介されておりますが、当院でもよく使用する場所です。

安全で根本的な治療手段である鍼灸

顔写真

手は生活のほとんどに関係する大切な場所です。大変なご不便をお感じになりながら、我慢して過ごしている方も多いと思います。当院では、安全で根本的な治療手段である鍼灸によって、手のしびれを1日でも早く改善し、よりよい生活をするためのお役に立てたらと思っております。以下に実際の治療例もご紹介しておりますので、よろしければご参考にしてください。

手のしびれの症例

院長 宮下宗三

参考文献

  • A Randomized Clinical Trial of Acupuncture Versus Oral Steroids for Carpal Tunnel Syndrome: A Long-Term Follow-Up, The Journal of Pain, Volume 12, Issue 2, February 2011
  • Acupuncture in treatment of carpal tunnel syndrome: A randomized controlled trial study, J Res Med Sci, 2012 Jan