おねしょにギンナン
もう葉っぱが半分以上落ちた銀杏並木を、落ちているギンナンを踏まないように散歩していたのですが、その時ふと小さい頃によくおねしょしをていたことを思いだしました。
なぜギンナンからおねしょを連想したかというと、僕のおねしょをなんとかしようと、親がどこかからギンナンが夜尿症に良いという情報を得て、ある時期ギンナンを毎晩1粒食べさせられていたからです。
なぜおねしょにギンナン?
それから数十年経つ今、鍼灸師という仕事についたのもあって、食べ物の効能についての民間療法的な知識を聞くと、イチイチ本草書を調べてみたくなってしまうのですが、さて、本草書にはどんなことが書いてあるでしょうか。
本草学的にみたギンナンの効果
ギンナンについては『本草綱目』に記載されていて、なんと「縮小便(小便を縮らす)」とあります。意味的には尿の回数を減らすと取ることができるので、これが夜尿症によいという根拠でしょうか。
なるほどと思ったのですが、詳しく読んでみると、恐いことも書いてあります。
ギンナン中毒についてです。小児はギンナン中毒に注意
『本草綱目』には「小児多食すれば昏し、霍し、驚を発し、疳を引く(小児多食昏霍発驚引疳)」などとあり、こどもが多食すると意識を失ったりけいれんなどの発作が起きるとのことです。
僕の場合は10歳くらいの時で、個数も親がちゃんと管理していてくれたので大丈夫だったのですが、年齢の低いこどもには多食させないように注意するか、特に幼児の場合は避けたいですね。
また、大人の場合でも、多食すると死に至るようで、飢えた者が飯の代わりにギンナンを多食し、翌日に死亡したという例が記載されています。この場合は相当に多量に食べたのでしょうけど。
ギンナン中毒については、ネットで検索してみると、現代医学的にも『本草綱目』に記載されるような中毒症状が認められているようで、消費者庁の子ども安全メールにも注意を喚起する文章が掲載されていました。
中毒を起こす量そのものは不明のようですが、少ない場合は5~6粒で発症したという例もあるそうです。
親子でできるおねしょのツボ治療
そこで、こどものおねしょに対して家庭でできる方法として、もっと安全なものはないかと考えましたが、遺尿(尿失禁)のツボが使えると思うので、今回最後に場所と押し方をご紹介します。
夜尿症に対してはツボを軽く押すという方が安心でしょうから、おねしょをするお子さんがいる方はお試しください。
ツボの場所
委中:膝の裏の皺の中央。
太衝:足の親指と人差し指の付け根から伸びる骨と骨がぶつかる手前のくぼみ。
委中の押し方
こどもをうつぶせに寝かせ、手の平の付け根でゆっくり押し込み、こどもが痛がらない程度の力をそのまま10秒ほど保持し、その後力をゆっくりと緩めます。これを3回行って下さい。
太衝の押し方
指をゆっくり押し込み、こどもが痛がらない程度の力をそのまま10秒ほど保持し、その後力をゆっくりと緩めます。これを3回行って下さい。
手でおへその下を温めてあげてもよし
東洋医学的にはおねしょは冷えが関係していると考えられていますので、おへその下あたりを手で数分間温めてあげてもよいですね。