休むだけでは回復しない慢性疲労
疲労とは、体がだるく普段通りの活動ができない状態を指します。東洋医学でも疲労や倦怠感は古来から治療の対象とされて、大昔の鍼灸の専門書にも疲労回復のツボがたくさん記載されていました。昔の人も疲れていたのでしょう。
この疲労状態は東洋医学では「労熱」と呼ばれることもあり、体の熱感に、口の渇き、便秘、不眠、動悸などのさまざまな症状を伴った病態としてとらえられていました。体温計で測っても発熱はなく、体内にこもった微熱が心身の不調を起こすという状態です。
現代風に言い換えると、慢性炎症による全身性の症状といった感じです。疲れている時に最も有効なのは休むことですが、病的な慢性疲労の場合、休養だけではなかなか回復しないことがあります。
今回は、疲れが取れるツボを3つ厳選してご紹介しますので、やる気や集中力の低下を感じている方はぜひお試しを。
疲労回復のツボ三選
湧泉
ツボの場所:足の裏のくぼみに取る。
疲労の影響を受けやすい腎と関係の深いツボ。下半身全体のめぐりを良くする働きもある。
足三里
ツボの場所:膝のお皿の下角から、手の横幅分くらい下がった所。すねの骨の外側。
足三里は一切の病によいとされ、疲労時に出やすいのぼせ感を緩和する効果もあり。消化器症状の特効ツボとしてもよく知られている。
関元
ツボの場所:臍から指の横幅四本分くらい下。
大中極とも呼ばれ、体の中心部と考えられている重要な場所。このツボにお灸をすると、全身的な健康につながり、疲労回復の定番のツボ。
お灸のやり方
家庭用の台座つき灸でやってみましょう。湧泉や関元は多壮灸(たそうきゅう)といって、一か所に複数回お灸をする方法がよく取られます。疲労時はこれらのツボの感覚が鈍くなり、お灸の熱をあまり感じずに終わることがあります。
その場合は、1個で終了せず、様子をみながら2~3個程度の軽めの多壮灸をやってみましょう。